生涯メガネなし、全距離よく見える白内障手術(1)
〜2016-17年 最新の多焦点眼内レンズの本当の実力〜
前回までの数回の連載は、「め」の話から少し離れて、「良いお医者さんとは何か?」「ソクラテス、プラトン、再びヒポクラテス」と題して、日々想っている「つれづれ」を、医療の起源や歴史をたどって書かせていただきました。今回から私の専門分野である眼科手術関連から、今、読者の皆様に是非お伝えしたい最近の話題である3焦点の多焦点眼内レンズ「ファインビジョン」、「ファインビジョン乱視用」、最新型白内障手術用眼内レンズについての情報をお届けします。
従来の白内障手術に、まだ残されていた問題点
従来の白内障手術用眼内レンズによる白内障手術は、約30年前の登場から、この10〜15年の間の絶え間ない改良により、かなり完成度の高い手術となってはいましたが、まだ、次の様な短所がありました。
・一つの限られた距離にしかピントが合わない単焦点眼内レンズでは老眼の問題が克服できないため、メガネが手放せない。むしろ年齢や度数によっては手術によって老眼が強まってしまう。手術後もほぼ老眼鏡などメガネが必須。
・乱視の矯正が不完全。
また、1、2の欠点を補って約8〜10年前に登場した従来の多焦点眼内レンズは、単焦点眼内レンズと違って「近くも遠くもメガネなしで見える」事を、ほとんどの患者さんで実現できた大きな進歩がありましたが、それでもまだ次の様な欠点がありました。
・得られる画像のコントラストが低下してしまう(「くっきりさ」「鮮明さ」が不十分)
・近くと遠くの間の「中間距離」の見え方、ピントが不十分で、特にパソコン作業時などの見え方には弱点を残していた。
2015年、白内障手術は従来をはるかに超えた次元に
そこに、2015年、眼内レンズ発祥の地、ヨーロッパの眼内レンズメーカー「Physiol」社から、素晴らしい革命的な白内障手術用眼内レンズ「FINEVISION 」、「FINEVISION Toric」(図1、以下、ファインビジョン)が発表されました。まず眼科医療の最先端を行くEUの眼科手術先進国ドイツ、フランス、ベルギー、イギリスなどのヨーロッパ諸国で使用開始され、現在に至るまで、「これまで世界で発売されたいかなる白内障手術用眼内レンズより優れた最高の眼内レンズ」、「究極の理想的な白内障手術を可能にする画期的な眼内レンズ」として、世界中で高い評価を受け続けています。
日本でも、私が手術を執刀している神奈川県の鈴木眼科グループでは早くからこのレンズに注目して情報収集に努め、その高い性能と品質を確認後、東京神奈川を含む首都圏でも最も早い導入施設の一つとして2015年後半から手術に取り入れ、患者さんから高い満足の声をいただいています。今では日本国内でも多数の有名眼科病院、眼科クリニックの白内障手術医にも認められ、採用が広がっています。
次回以降も、ファインビジョンについてお話します。
お話頂いた方 院長 鈴木高佳さん
鎌倉小町通り眼科
鎌倉市小町1-6-8 リアスコビル1F
☎0467-61-2623
鎌倉小町通り眼科HP
逗子駅前鈴木眼科医院
逗子市逗子5-2-53三盛楼ビル4F
☎046-874-0404
逗子駅前鈴木眼科医院HP
湘南藤沢鈴木眼科内科クリニック
藤沢市亀井野259-1
☎0466-54-7850
湘南藤沢鈴木眼科内科クリニックHP