東京都無形民俗文化財に指定「南洋踊り」
東京都心から南に約1,000kmにある小笠原諸島。日本本土と南洋諸島の中間地点に位置することや特異な歴史を辿ったことも影響して、西洋や南方などの様々文化が融合し、独自の文化が育まれ受け継がれてきました。今回は島ならではの文化や暮らしについて小笠原村観光局の伊藤優美さんにお話を伺いました。
小笠原村観光局 伊藤優美さん
最近ではクルーズ旅行の就航先としても注目されている小笠原。一度訪れれば「また行きたい」とその魅力にハマるリピーターも多く、実は私もその1人。海は写真で見ても充分に綺麗ですが、実際に訪れて見る海は格段に綺麗で感動します!
島民とウミガメの固い絆
小笠原は「アオウミガメ」の日本最大級の繁殖地で、誕生から次の産卵までのすべてのサイクルを通してみることができます。アオウミガメは世界的に個体数が減少しており絶滅危惧種にも指定されていますが、小笠原では長期にわたる調査や保全活動の結果、個体数は減ったり増えたりしながらも増加傾向にあります。また、保全活動と共に、亀食も欠かせない島の文化として古くから根付いていて、島民とウミガメの距離が近いことも小笠原の特徴です。ウミガメを守る保全活動や環境について考えることは、島民の豊かな暮らしを守ることでもあるのです。
生命の神秘と尊さ「アオウミガメ」
海と太陽の恵みを召し上がれ!
行事ごとには欠かせないのが「島寿司」。漬け魚の甘めの味わいに「からし」のアクセントがベストマッチな島名物です。希少な「パッションフルーツ」は昭和60年から栽培が本格化。光沢のある紫紺の色と高い糖度、そして甘くエキゾチック香りが特徴です。その他にもマンゴー、島バナナ、島レモン、ドラゴンフルーツなど亜熱帯の太陽が育む逸品はたくさん!訪れたら是非味わってみてください。
観光客にも人気の名物「島寿司」
ここにしかない文化を知る
伊豆諸島の八丈太鼓が元となった「小笠原太鼓」。戦前は大人たちが島の祭りの楽しみとして叩いていたもの。返還後、娯楽のない島で親の見よう見まねでドラム缶を叩いたのが今の小笠原太鼓の始まりでした。他にも南洋貿易が盛んだった時代に伝承された「南洋踊り」、村の木であるタコノキの葉を使った民芸品「タコノ葉細工」など、独自の文化が詰まった伝統に触れてみるのもおすすめです。
伝統技術の結晶「タコノ葉細工」
感動のシーンは船上でも
今年創立50周年を迎える小笠原海運(株)が運航する貨客船「おがさわら丸」が父島への唯一の定期的な交通手段。6〜7日に一便の就航、所要時間は24時間と長い旅ではありますが、船上で眺める日没や日の出もまた格別。美しい夜空には運がよければ天の川を観ることもできます。島を出港する際には島民がクルーザーや漁船で併走しながらお見送り。小笠原の別れのあいさつは「さようなら」ではなく「いってらっしゃい」。「また帰ってくるね」と思わずにはいられない感動のシーンです。
旅のラストは「感動のお見送り」
一般社団法人小笠原村観光協会
〒100-2101 東京都小笠原村父島字東町(番地なし)
電話:04998-2-2587
e-mail:info@ogasawaramura.com