税理士兼大家だからわかる 知ッ得!税と相続

税理士兼大家だからわかる 知ッ得!税と相続

相続税とはどんな税金!?

遺産相続をしたときにかかる相続税。その対策を後回しにして、相続の準備を何もしないまま相続が発生してしまうケースも多くあります。あなたは、今、財産がいくらあり、それを相続した場合に、いくら相続税がかかるのかをご存じですか?

実務経験上、意外にわからない人も多いのも現状です。体であれば毎年健康診断をするように、相続も専門家に依頼して全相続財産と相続税を把握しましょう。今回は注意すべき「相続税の納付方法」について説明します。

相続税の納付は現金一括納付が原則です。例えば、10億円財産があり、うち現金が1億円しかない場合、相続税が5億円だとすると4億円が足りないこととなります。「財産はあるけど納税資金がない」そんなときのために納税対策が必要になるのです。納付期限までに間に合わないと、折角の不動産を二束三文で手放すことになりかねません。ある程度、相続税の計算法を知っておくことは、あなたの財産を守る上で最も大事なことでもあるのです。

誰が払うもの?

相続人又は包括受遺者(遺贈を受けた人)が払います。相続で引き継いだり、遺言によって遺産を引き継いだ人が対象者となります。「ただ」で財産をもらった人が対象ということです。

いつまでに払う?

相続税の支払いは、被相続人が亡くなったことを知った日(相続が生じた日)の翌日から10ケ月以内となります。例えば2月1日に相続が生じた場合の申告期限は12月1日です。10ケ月は長いようでかなり短い期限といえます。
この期間内に全財産を把握して、申告を作成するとともに、納税資金をどうするのか、誰が相続するのかを決めないといけないからです。だからこそ生前に準備が必要となるわけです。

わかりやすい相続税の計算

遺産相続したときにかかる税金、それが相続税です。相続税の計算は以下の3つの順番で計算します。今回はその計算方法をご紹介します。

1.全財産債務の把握
預貯金などのプラスの全財産から銀行借入などのマイナスの全債務・非課税枠(基礎控除)を差し引いても、なおプラスの時は相続税を支払う必要があります(基礎控除は、3000万円+600万円×法定相続人の数で計算)。
「Case 1」(図1)の場合、財産から債務を引いた金額が4800万円以下であれば、相続税はかかりませんが、超えると超えた部分に対して相続税が課税されます。このような計算を行うため、亡くなった方の全財産、全債務をできるだけ早いタイミングで把握する必要があり、なかなか手間がかかるところです。

2.全体の相続税の総額を計算する
「1全財産債務を把握」した上で相続税の総額を計算します。細かい算式は今回割愛しますが、①財産が多ければ多いほど税率が上がります。また、②相続人が多ければ多いほど税率は下がる傾向にあることは知っておいた方が良いです。

【税率が高いとどうなるか】
「1全財産債務の把握」で計算された金額が5000万円の場合
5000万円×10 %→500万円
5000万円×50 %→2500万円
財産が多く税率が高いと相続税もかなり高くなります。

3.相続人ごとの相続税の算定
「1」で財産債務を把握し、「2」で全体の相続税総額を算定して相続人がもらった財産の割合で按分することで相続人の各々の相続税を計算します。例えば、お父様が亡くなり、奥様が30 %・長男35 %・長女35 %の割合で相続された場合は以下の通りです(相続税の総額1000万円を前提)。

奥様1000万円× 30 % = 300万円
長男1000万円× 35 % = 350万円
長女1000万円× 35 % = 350万円
上記のほか、税金が安くなる税額控除もあります。例えば配偶者の方は、特例により本来の相続税の半分を税額控除できます(今回の例なら300万円→150万円)。また、配偶者が相続によりもらう財産が1億6000万円以下の場合は相続税はゼロになります。相続人が未成年者や障害者等の場合も、税額控除があるので忘れずに適用したほうが有利です。

Case 1相続人:奥さん、子供二人
基礎控除:3000万円+600万円×3=4800万円

wish会計事務所代表者 税理士 小林 直樹

wish会計事務所
東京都板橋区板橋1-53-2 TM21ビル302号
TEL:03-5944-2850
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